平成12年度のスキー場傷害調査は、2001年2月の1ヶ月間に全国46のスキー場の協力により実施されました。そして各スキー場で発生した合計5,482人の方々の貴重なデータを集計し、様々な項目で分析を試み本報告書を作成いたしました。
最近では、スキー場に新しい用具が登場し新たな楽しみ方がなされるようになった陰でスキー離れという状況も進行しています。スキー場が変化する中で、スキーヤー、スノーボーダーの傷害の発生状況や態様も以前とは違ってきています。このような事情に対応すべく、平成12年度(2000/2001シーズン)の傷害調査は、昨シーズンに大きく調査方法を変えてから第2回目となりました。今回の調査にあたっては、より精度を増すために、調査用紙の項目に番号を付けたり、傷害部位などむずかしい漢字にひらがなを付けたりという小さな修正で本調査に臨みました。大きく変わった昨シーズンの調査方法や調査報告書に対しては関係者の皆様にはたいへん好意的に受け入れていただけました。調査結果も、従来の調査用紙にはスキーとスノーボードの2種類しかなかった状況から、一気にノーマルスキー、カービングスキー、ファンスキー、短ファンスキー、フリースタイルスノーボード、アルペンスノーボードなどについて項目を増設し、個々の用具毎に集計・分析しました。その結果、用具による傷害の特徴が明らかにできたり、男女の技能の差による受傷者数の変化など、スキー場にとっても有意義な情報となったと良い評価をいただきました。
さて、今回の報告書で大きく変わった点は、受傷率について分かりやすく表記することに改めたことです。本文でも触れていますが、従来の受傷率は、総受傷者数を総輸送人員で割った数値をパーセント表示していました。昨シーズンは受傷率が0.0101 %でしたが、小数点以下4位の数値にパーセントがついて非常に分かり難く、筆者自身もゼロの個数を間違えたりなど、なにやらピンとこない数字だと思っていました。そこで、本調査報告書では、算出方法としては従来どおりですが、パーセント表記をとりやめ、輸送人員10万人あたりの受傷者数として表現することにしました。これによると昨年の受傷率は、「10.1人」ということになります。そして、今回の受傷率は「11.0人」となり、0.9ポイント上昇したというわけです。
受傷率の数字が示すとおり、現場では傷害の発生率が高まっているようです。スノーボードの方は幾分安定してきましたが、スキーの方はケガの危険性が高くなってきています。報告書ではそれらについて述べてあります。ぜひお読みいただきご参考にしていただきたいと思います。
最後に調査にご協力いただいた全国46スキー場の関係の方々および直接調査用紙に記入いただいた受傷者の方々に対し感謝申し上げます。